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凛 騎 応 変!

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□ 姉遊戯(完結) □

第16話 …繰り返す過ち~前編~…

姉のメールを盗み見てしまってから、僕は姉に対する接し方が変わった・・・と言うより、元に戻ったと言うべきか。

あのような物を見てしまっては仕方がない事かもしれないが、彼女を再び女性として意識するようになったし、再び自分の物にしたいと言う欲望を抑えきれなくなっていた。

だが、どうして良いか解らない・・・。

それに、最初は性的な欲望ばかりが先行していた僕の気持ちも、徐々に時が過ぎるにつれて、姉のあんな写真を撮った事に対する「健司」への怒りに変わってきても居た。

(本当に大切にされているんだろうか・・・姉ちゃん・・・)

しかし、その事を確かめる方法は僕には一つしかなかった。

姉に直接確かめる・・・。

それだけが唯一の手段だったのだ。



※※※



――コンっ、コンっ

時間は0時を廻った所だった。
こんな時間に姉の部屋の戸をノックするのは久しぶりだ・・・。

「はい?」

姉はまだ起きていたようで、中から返事が返ってきた。
僕には戸の向こうで小首を傾げた可愛らしい顔で「はい?」と返答する姉の姿が見なくても解る・・・姉の事が大好きだからだ。

その姉が、初めて出来た彼氏にあんな卑猥な画像を撮影されている。
それに姉が同意したのかもしれないが、僕の知る姉は自らあんな事に興じる女性ではないし、何よりもあの時盗み見たメールの前後のやり取りから「健司」があの画像を撮影する事をプレゼント代わりに姉に要求したのは明らかだった。

「あ・・・俺・・・入っても良いかな・・・」

僕は深夜に姉の部屋を訪れるのがあまりにも久しぶりで、返事が返ってきても無神経に扉を開ける事ができずにいた。

「いいよ~」

中から姉がそう声をかける。

それを聞いてから僕はようやく姉の部屋へ入った。

「どうしたの?こんな時間に・・・」

表情は少し訝しげだが、そう言う姉は僕の予想通りに小首を傾げた可愛らしい仕草を見せた。

「うん・・・ちょっと・・・」

僕はここに至っても、何と話を切り出して良いものか迷っていた。
いきなり「彼氏と上手くいってるの?」では無神経だし、ましてや「あの画像」の事をいきなり切り出すなんて事は出来ない・・・。

「眠れないの?」

黙り込む僕に姉は優しくそう言った。

「うん・・・何か眠れなくて…」

僕は姉に訊ねられるままにそう返答していた。

「だったら、マンガとか持って行っても良いよ・・・これとか・・・読んでないんじゃない?まだ・・・」

こんな時間に突然訪ねてきた弟に優しくそう言ってくれる姉。
この姉が、もし彼女の気持ちとかけ離れたところで、あんな事を強制されているのなら、そこから救い出すのは僕の役目だと思った。

「あ、これも翔太が読んでないやつだと思うよ・・・最近お姉ちゃんの部屋に来ないから、翔太が読んでない本結構たくさん・・・」

――ガバっ

僕は今の感情を言葉に出来ずに、僕に背を向けて本を漁る姉を後ろから抱きしめた。

「ちょっ・・・翔太・・・どうしたのよ・・・」

突然の事に姉は驚いたようだったが、彼女はそう言いながらも抱きしめられて自分の胸の辺りで組まれて重なった僕の両手の上に軽く手を置いたまま、振り払おうとはしなかった。

「姉ちゃん・・・やっぱりダメだよ・・・俺・・・」
「何が?・・・どうしたの?」
「姉ちゃんの事・・・好きだよ・・・どうしたら良い?」

僕はどうする事も出来ない気持ちをどうしたら良いかそのまま姉に訊ねた。

「そんな・・・どうしたらって・・・言われても・・・」
「だって、姉ちゃんのことが好きなんだ・・・あんな男に姉ちゃんを取られたくないよ」
「・・・。」

姉が本当に今の彼氏の事を好きだったら「あんな男」と言った僕に対して良い気分はしなかっただろう。

しかし姉は、後ろから抱きしめたままの僕を、それでも振り払おうとはしなかった。

「でも・・・お姉ちゃんはもう翔太のものじゃないんだよ?」

その諭すような口調が尚更僕をどうしようもない駄々っ子の気持ちにさせる。

「じゃあ、また俺のものになってよ・・・」
「そんな事・・・出来る訳ないでしょ?」
「どうしてさ・・・」
「だって・・・」

姉は「だって・・・」の後に続く言葉が見つからないようだった。
今、何の憂いもなく幸せなら、僕にそう言えば良い。
「健司」の事が好きだから、僕のものには戻れない・・・そう言えば良い・・・。
だが、姉はそう言わなかった。

「そんなに・・・彼氏の事好きなの?」

僕は直球すぎるかなとも思ったが、姉にそう訊ねた。

「好きに・・・決まってるでしょ・・・」

姉はそう答えたが、その言葉に勢いはなかった。

「本当に?」

僕は重ねてそう訊ねる。
しかし、2度目の質問に姉は返答しなかった。

「ねぇ・・・姉ちゃん・・・本当にあいつの事好きなの?・・・もう俺の事は好きじゃないの?・・・」

僕は自分がしつこいと言うのは自覚していたが、どうしてもその質問に対する姉の返答が欲しくて、また同じような質問を繰り返す。

だが、姉はそれでも無言で本棚に向かったままだった。

「ねぇ・・・姉ちゃん・・・ねえってばっ!!」

僕はついに、何も返答してくれない姉に焦れて、僕に背を向ける姉の肩を掴み身体をこちらへ向けた。

そして固まる。

姉の大きな目からは、涙が溢れて、僕が無理やりこちらを向かせた勢いで今まさに、その両目から涙の滴が流れ落ちた。

(あぁ・・・こんなに細かったっけな~姉ちゃん・・・)

僕は姉が涙を流している事にパニックに陥って、そんな無関係な事を考える。

それでも姉は、その大きな瞳に涙を一杯に溜めて、悲しいのか寂しいのか・・・それとも別な感情なのか・・・とても判断できない表情で僕を真っ直ぐに見上げていた。

「ずるいよ・・・翔太・・・」
「え?」
「反則だよ・・・」

姉は僕から目を逸らさないままでそう言った。

僕には何が「ずるい」で何が「反則」なのか解らない。

「な、どして?」

僕はきっとアホみたいな顔をしていたと思うけど、そう姉に真意を問い返す事しか出来なかった。

「だって・・・お姉ちゃんだって翔太が好き・・・でも、私達は姉弟なんだよ・・・」
「解ってるよ・・・そんなこと・・・」
「だから・・・好きになっちゃダメなんだよ・・・」
「どうしてさ・・・誰にも言わなければ解らないよ」
「それで、その先どうするの?こっそり付き合っても結婚する事もできないんだよ?」
「結婚しなくたって2人で一緒に暮らせば良いじゃないかっ!」
「大きな声出さないで!・・・お母さん達が起きちゃうよ・・・」

僕に大きな声を出すなと言う姉の声も大きい。

「じゃ、どうして・・・俺のこと好きなら、どうしてあんな男と付き合うのさ・・・」
「健司は良い人だよ・・・きっと、翔太が居なかったら、健司の事本気で好きになれたと思うよ・・・」
「嘘だよ!良いやつな訳ないだろっ!良いやつが、姉ちゃんのあんな写真撮るわけ・・・」

僕は途中までそう口走ってから「しまった!」と思った。
こんな勢いで姉に言ってよい事ではなかった。
つい・・・つい感情が高ぶってそう言ってしまった。

見ると姉の表情が今までにないくらい動揺した驚きの顔を見せている。

「写真って・・・何のことを・・・」

姉は力なくそう言った。

僕は仕方なく、姉が携帯を忘れて行ったあの日、出来心で彼女の携帯を覗いてしまった事。それに勝手にフォルダのパスワードも解除して、中のメールを読んだ事。
そして・・・その中の一通に見たくもない画像が添付されていた事を姉に話した。

「ひどい・・・よ・・・」

姉の目からは再び大粒の涙が流れ始めた。

「ごめん・・・ホントに・・・でも、何であんな写真撮らせたのさ!・・・あんなの普通じゃないだろ」
「しょうがないじゃない・・・そうしたいって言うんだもん・・・」

姉はまだ涙を流したままでそう言った。

「したいって言えばなんでも言う事聞くの?そんなの変だよ・・・それに、そんな事したいって言う事自体おかしいじゃん・・・」
「じゃあ、断れば良かったの?断って、振られたらどうするの?また1人になって・・・そうしたら・・・そしたらまた、お姉ちゃん翔太の部屋に行っちゃうよっ!」
「来れば良いだろ。また俺の部屋に来れば良かったんだ!」
「出来ないよ。そしたら、きっとまた元に戻っちゃうよ・・・普通じゃない姉弟に・・・」

そう言う事だったのか・・・。

姉も僕の事を好きだと言ってくれた、だけどその感情はいけない感情だ。
それに、あんな画像を撮ったけど「健司」は本当に良い奴らしい。
「健司」に近くにいてもらう事で僕を好きだと言う感情を抑え込んでいた・・・そう言う事なのか・・・。

僕は、今度は向かい合ったままで姉を引き寄せて力一杯抱きしめた。

「元に戻ろうよ・・・姉ちゃん・・・」

それから、僕は姉にそう言う。

「無理だよ・・・健司にも悪いし・・・」
「姉ちゃん・・・俺のこと好きだって言ってくれたじゃん・・・そんな気持ちのままで付き合う方が、あの男に悪いよ・・・」
「それは・・・」

僕と姉とでは、姉の方が圧倒的に頭も良いし器用だが、今回ばかりは僕の言った事の方が正論だと彼女も思ったようだ。

実際、僕が「健司」の立場だったら、堪らなく悲しい気持ちになるし、自分が振られた理由が彼女の弟だなんて知ったら、尚更立ち直れない。

僕にとって「健司」はいけ好かない奴である事に変わりはなかったが「このままではあの男に悪いだろう」と言うのは、その時の僕の正直な気持ちだった。

「だから・・・姉ちゃん・・・あの男と別れて・・・また元に戻ろうよ・・・」

僕はそう言うと、姉の唇に自分の唇を重ねた。

姉は、一瞬ビクッとして身を引いたが、すぐに僕に身を預けてくれた。

長く長く・・・この1年を取り戻すように長く、僕らは唇を重ねた。

「今日は・・・もう寝るよ・・・」

やがて姉から唇を離すと僕はそう言った。

「うん・・・」

姉は目を真っ赤にしたまま、明らかに泣いた直後だと解る顔のままで短く返答した。

「あいつと・・・あの男と別れたら教えて・・・」
「え?」
「あいつと別れて・・・姉ちゃんが1人になって・・・そしたらまた俺、姉ちゃんを俺のものにするんだ・・・だから・・・」

姉は黙ったままだったが、それでも僕を真っ直ぐに見据えたままでハッキリと頷いた。


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Date:2011/11/17
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