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凛 騎 応 変!

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□ 妹遊戯~二組の兄妹~(完結) □

第33話 …次世代遊戯の始まり?(エピローグ)…

「結婚しよう!」
「結婚してください!」

僕と雄大は2人同時にそう言った。

「はい?」
「・・・・・」

2人の妹たちは予想通り、僕らのセリフに引いているようだ。
だから言ったのに・・・。

そもそも、今日のこのセリフは雄大の提案によるものだったのだ。

「な、何言ってるの?2人とも・・大丈夫?」

明日香が雄大の顔を覗き込むようにして言った。

「大丈夫ってなんだよ!プ、プロポーズしてんだろ!?」
「あ、いや・・・それは伝わったけどさ・・・なんで兄貴と2人で並んで言う訳?」
「そ、それは・・・おまえ、拓也も真由にプロポーズしてんだろ~が!」
「だからぁ~、なんで、プロポーズくらい個別に出来ないのかって言ってんのよ!一生ものなのよ?プロポーズなんて!それが、あんたの部屋でムードの欠片もなく、しかも兄貴と2人並んでって・・・どういうつもり?・・・ね?真由・・・真由?」

明日香が息継ぎもせずに一気にそう言って真由ちゃんの顔を見た。
それに釣られるように僕も真由ちゃんの顔を見る。

(ま、真由ちゃん!?)

そこには、ポロポロと涙を流す彼女の姿があった。

「ど、どうしたの!?真由ちゃん!」

僕は慌ててそう言った。
きっと僕が雄大に言われるまま、彼と一緒にプロポーズした事が気に入らなかったのだと思ったのだ。

(し、失敗したなぁ・・・やっぱりやめておけば良かった)

今更そんな事を言っても後の祭りである。

一週間ほど前、雄大は僕に「そろそろ身を固めようと思う」と言った。
今どき古臭い言い回しだなとも思ったけど、僕は彼の決断を祝福した。

「何言ってんだよ、おまえもするんだよ」

おめでとうと祝意を伝える僕に向かって、雄大は「当然だろ?」と言うニュアンスで言った。

「は?」
「は?じゃねぇんだよ、俺がプロポーズするって言ってんだから、おまえも真由にプロポーズするんだよ」
「い、いや・・・それはあまりにも・・・」
「なんだよ、真由とは遊びなのか?結婚する気がないってのか!?」
「いや、そうじゃないよ!そのうち・・とは思ってるけど・・・」
「じゃあ、いいじゃねぇか、今週の日曜日にでも指輪買いにいこうぜ」
「あ、でも・・・あの2人・・嫌がるんじゃないかな?」
「なにを?」
「その・・・プロポーズって大事なものだろ?それが、2人一緒になんて・・・」
「そんなこたぁ無いだろ、なんでも一度に済ませるのが合理的ってもんだ」

気の弱い僕も悪かった。
だけど、やっぱりプロポーズのタイミングくらい自分で決めれば良かった。
僕らはまだまだ20代だし、何も焦る事はなかったのに・・・。

「ま、真由・・・?な、泣くほど嫌だったの?私もバカじゃない!?とは思ったけど、何も泣かなくても・・・」
「違う・・・の・・・」
「え?」
「違うの・・・うれし・・・嬉しくて・・・私・・・」

真由ちゃんはポロポロと涙を零しながら言った。

「嬉しい?」

明日香が不思議そうに訊ねる。

「うん・・・拓兄ちゃんがお嫁さんにしてくれるって言うから・・・嬉しくて・・・」

どうやら真由ちゃんの涙はそういう種類の涙だったようだ。
こんなムードも何もないプロポーズでも感激してくれた真由ちゃんを有り難いと思う。

―ツンッ

雄大が肘で僕の身体を突いた。

(あっ、そうか・・・)

僕は慌てて、ポケットから指輪のケースを取り出して真由ちゃんへ見せた。

「あの・・・これ・・・安物で悪いんだけど・・・」

更に驚いた顔をして僕を見る真由ちゃん・・・。
それから静かに左手を差出した。

(お、おお!ピッタリだ・・・良かった・・・)

指輪のサイズは適当だった。

「明日香よか、少し指太いんじゃね?」

サイズの根拠は雄大のこの一言・・・この一言だけで僕は返品も出来ない買い物をさせられたのだ。

真由ちゃんは左手の薬指にハメられた、安物の指輪を少し遠く手を離して見てはニッコリ笑い、近くで見てはニンマリとする。

それから自分の左手を摩るようにしながら言った。

「拓兄ちゃん・・・ありがとう・・・すごく嬉しい」

僕は真由ちゃんが愛しくて、雄大と明日香の存在は完全に無視して、彼女を強く抱きしめた。

「で、おまえはどうなんだよ?いいのか?悪いのか?」

雄大が明日香にそう言った。

「ちょっと~、それプロポーズなの?脅迫じゃなくて?」
「なんだよ、じゃあムードっての作ってからやり直せば良いのかよ」
「いいわよ・・やり直さなくても・・・指輪・・あるんでしょ?ちょうだいよ!」
「お、おう!拓也のやつより、少しだけ高かったんだぜ」
「ちょっ、違う、その指じゃない!こっちよ、こっち!」
「解ってるって!」
「そう、その指・・・ふ~ん・・・ピッタリじゃん。よく指のサイズ知ってたわね」
「それはおまえ、お前が眠ってる時に糸を、こう・・・指にそっと巻いてよ・・・それを持って買いに行ったんだよ」

そうなのだ、雄大はジュエリーショップへ行くなり、マジックで印のついた糸をポケットから出して、その糸を目印にして指輪をくれと店員に言った。
本当に恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
しかし、雄大の必死さは無駄ではなかったようで、どうやらあの時買った指輪は明日香の薬指にピッタリだったようで安心する。

「指輪やったんだから、結婚するのはOKってことだろ?」
「はいはい・・・だいたい、あの2人の雰囲気見てて、今さらいやだって言える?」

抱き合う僕と真由ちゃんを親指で指しながら、明日香は仕方なさそうにそう言った。



※※※



「おめでとう!」
「おめでとうございます~」

すごい人数の参列者だ。

それもそのはず、この教会には僕と真由ちゃん、雄大と明日香・・・4人の知人が集まっているのだから・・・。

ある程度予想はしていた。
だけど、まさかそれが現実のものになるとは思わなかった。

「何でだよ?結婚式も4人でいいじゃねぇかよ」

雄大はまた当然のようにそう言いだした。
別にそれが嫌な訳ではないけれど、そんな結婚式は聞いた事もなかったし、第一出来るものなのだろうか?

「じゃあ訊いてみようぜ?ダメだって言われたら仕方ないから別々にやりゃあいいんだよ」

雄大がそう言った時、僕は心の中で「お願いだからダメだと言ってくれ」と願ったものだ。

「はい?お二組で・・・同時に・・でございますか?」
「ああ、そうだ。構わないだろ?ちゃんと料金は二組分払うからよ」
「あ、いえ・・その・・少しお待ちください」

ブライダルの担当者は、さすがに面食らった様子で奥の事務スペースへ入って行った。
上司にでも相談するのか、それとも教会へ電話でもしているのか・・・なかなか担当者は戻ってこなかった。

「遅ぇな~・・・」

雄大が苛々し始めた頃になって、ようやく担当の女性が少し年配の男性を連れて戻ってきた。

「大変お待たせいたしました、少しオリジナリティの高い挙式をご希望だそうで・・・私が以後担当させていただきます」

どうやら、面倒な話になってきたので、さっきの女性の担当から、ベテランに変わったようだ。

「あの・・・二組で同時に結婚式をしたいって、こいつが言うものですから・・・無理ですよね?」

僕はイラついた雄大が余計な事を言いだす前に、年配の担当者へ向かってそう言った。

「可能でございますよ?ただ、すべての料金が一組さま分・・・と言う訳にはいかないのですが・・・」
「金はきちんと払うって言ってんだろ?大丈夫なんだな?」
「はい・・・可能でございます・・・では、具体的に日取りの調整に入りましょう」

こうして、やり手のブライダル担当者の余計な実力のせいで、僕達は4人で結婚式をあげる事になったのだった・・・。



※※※



(良かった・・・)

さすがにハネムーンまでは一緒にならないようだった。

「俺はラスベガスでカジノがしたいんだよ!」
「どうしてよ~、私はイタリアへ行きたいのっ!」

旅行会社へは一緒に行った。
だが、真由ちゃんの「コアラを抱きたい」と言う可愛らしい申し出で早々に行先をオーストラリアに決めた僕達と違って、カジノへ行きたい雄大と買い物メインに考えているらしい明日香の希望はすれ違っていた。

「あの・・・お客様・・・どうしましょう?」

窓口で対応してくれた女性も右往左往して、2人の話の行く末を見守るばかりだ。

「どうしてカジノなの?お金が勿体ないでしょ?」
「おまえこそ、イタリアなんて言って、ブランドもの買い漁るつもりだろ?それこそ勿体ないっつ~の」
「買ったものは残るでしょ?」
「カジノだって勝てば金が残るだろうが」

「ラスベガスで見積もってくれ!」
「いいえ・・・イタリアでお願いします!」
「あ、あの・・・とりあえず両方ともお見積りをお持ちしますね・・・」

窓口の女性はそう言って、しばらくPC端末のキーボードを叩いていた。

「全く・・・ある程度決めてくるものなんだよ、こういうのは」

僕は明日香と雄大に向かって言った。

「だって雄大がカジノへ行くったら行くって言って譲らないから・・・」
「譲らないのはおまえだろ?」

(大丈夫かな・・・この2人・・・)

古い言葉で「成田離婚」なんてのがある。
これは新婚の2人がハネムーンに旅立つ空港で、早速ケンカをして別れてしまう・・・と言う例えらしい・・・僕は雄大と明日香がそうなってしまうんじゃないかと心配した。

「お待たせ致しました、ラスベガスとイタリア・・それにオーストラリアのお見積りでございます」

僕は自分たちの分の見積もりを手にとって真由ちゃんと2人でそれを見た。

「どう?」
「うん・・・このくらいなら大丈夫そう」

オーストラリアへのハネムーンは僕と真由ちゃんが、だいたいこのくらい・・・と予想していた金額と大差なかったのだ。

「げっ!」
「うっ!」

しかし隣では雄大と明日香が僕らとは対照的な表情を見せていた。

「な、なんで?なんでこんなに高いの?イタリア・・・」
「イタリア旅行としては、お安い方かと思うのですが・・・人気の観光地ですし」
「そ、そうなんですか・・・」

飽きれたやつだ。
きちんと予算と行先の兼ね合いも探らずに「イタリア!」と騒いでいたらしい。

「ちょ、ちょっと・・・ラスベガスは?なんで?俺、ちゃんと調べたぜ?こんなに高くないツアーもあるだろ?」
「そちらの場合は・・・お客様のご要望通りにカジノへ直行できるホテル・・となると、どうしてもそのくらいの金額にはなってしまいますが・・・」
「そ、そうだったのか・・・」

どうやら雄大もリサーチ不足だったようでガッカリしている。

「おまえらは?オーストラリアってどのくらいかかるんだよ」
「ああ、僕らはほら・・・このくらい」

僕は見積もりを雄大に見せた。

「ああ、このくらいなら払えるよな~・・・でもな~、コアラなんて見ても仕方がないよな」
「そんな事ないもん・・・可愛いでしょ?コアラ・・・」
「まぁまぁ、真由ちゃん、僕らは僕ら、雄大は雄大だから」

僕はようやく僕達2人だけのハネムーンが実現するのだと思うと嬉しくてそう言った。
いや、別に雄大たちと行動するのが嫌な訳ではない。
だけど、僕の想い出の中には必ず真由ちゃんの他に明日香と雄大が居た。
ハネムーンくらい2人っきりの想い出にしておきたいものだ。

「お客様・・・オーストラリアにもカジノはございますよ?」
「ま、マジで!?」
「はい。カジノと言えばラスベガスと言うイメージをお持ちかもしれませんが、オーストラリアは大都市に一つは必ずカジノがあると言われるほどでございます。特にシドニーのカジノは世界的にも有名ですし・・・」

(嫌な予感が止まらない・・・)

「おい、拓也、おまえ達、シドニーってのには行くのかよ」
「い、行くけど・・・まさか・・・」
「へへへ・・・お姉さん、俺と明日香もシドニーで!」
「かしこまりました、オーストラリアツアー2組、4名様でございますね?」
「あ、ちょっ・・・・」

慌てる僕・・・。

「いやぁ、カジノってラスベガスにしかないと思ってたぜ!良かったな、拓也」

僕は全く良い事なんてないのに、雄大はニヤリと笑った後でそう言った・・・。



※※※



いくら何でも、雄大がそこまで言い出すとは思っていなかった。

「そ、それはいくらなんでも・・・家庭の事情ってものがあるし」
「何かマズい事情でもあるのかよ?」
「いや・・・ないけど・・・」
「だったらいいじゃねぇか、今月のうちに頑張れよな!」

雄大はそう言った。

雄大が言い出した事・・・それは「子作りを一緒にする」と言う事だった。
とは言っても、昔のように4人揃って一室で行為に及ぶのではなく、今月の妊娠しやすい期間を狙って、僕と真由ちゃんにも頑張れと言うのだ。

僕はもう少し夫婦だけの新婚生活を楽しみたかったし、別に「若い父親」になりたいとも思っていなかったのに、彼の希望で子作りまでも時期を決められてしまった。

「そう上手くいかないわよ・・・」

真由ちゃんはそう言ったけど、新婚の僕らは、子供を作る作らないとは別に、とにかく子供ができても変ではない行為に及ぶ事にした。

彼女の言う通り、そうそう上手く明日香と真由ちゃんが同時に妊娠する事などあり得ないと思っていたから・・・。



※※※



―ぎゃあ!おぎゃあ!!

分娩室からは元気な赤ちゃんの声がした。

「お父さん、おめでとうございます。元気な女の子ですよ!」

助産師さんが笑顔で僕に向かってそう言う。

子供の性別は早くから解っていた。
今時の機器はすごくて、赤ちゃんが真由ちゃんのお腹の中に居る間に、その表情や姿形までもハッキリと見て取れるから、性別の判断など素人でも出来てしまいそうなのだ。

だから別に初めての我が子が女の子だった事に驚きはなかった。

驚いたのは、雄大の望み通りにウチの子供と雄大と明日香の子供が同級生になった事だ。
今日から2週間ほど前に明日香は元気な男の子を生んだ・・・この、全く同じ病院で。
誕生日までも一緒にならなかった事に雄大は不満そうだったけど、さすがにそこまで狙って産み分けられるものでもない。

むしろ、同じ時期に子作りに励んで、同じ時期に出産する事になっただけでも驚くべき事だと僕は思った。

雄大の子供は男の子で、ウチの子が女の子と言うのも雄大には計算外だったようだ。
本当は2人揃って男の子を産んで、僕と雄大のように幼馴染にするのが彼の望みのようだった。

「ま、生まれてきたものは仕方がない、拓也、おまえんトコは次は男を作れよ、ウチは次女の子産むからよ」
「あ、いや・・・それは・・・約束できないよ」
「なんでだよ、気合いで何とかしろよ!」
「き、気合いって・・・だいたい、なんでそんなに同い歳の子供にこだわるのさ」
「あぁ!?だって、おまえ、楽しくなかったのかよ?」
「なにが?」
「俺と、おまえと・・・それに明日香と真由・・・ガッコでは2人一緒で、家に帰れば4人一緒・・・楽しかっただろ?」
「そりゃ、まぁ・・・楽しかったよ」

僕は、いつも4人一緒に過ごした日々を思い返しながらそう返答した。

「だろ!?だから、俺らの子供もよ、同じ歳の組み合わせになったら、同じように楽しく過ごせるだろうが」

なるほど、そう言う事だったのか。

(それも良いかもね・・・)

僕は雄大にそう言おうと思ったけど、寸での所で言葉を飲み込んだ。
生まれたばかりの可愛い娘が、雄大のところの男の子に猥褻な事をされる様が一瞬頭を過ったからだ・・・。

「ところでよ、子供も生まれた事だしよ、俺たちそろそろ家でも建てようかと思ってんだよ、勿論ローンで」
「そ、そう・・・良かったね」
「おまえ、ウチの隣の土地早く買わねぇと、誰かに買われちまうぞ?」
「え?」
「え?じゃねぇよ!おまえ、ウチの隣に家建てるだろ?」

雄大は当たり前だろ?と言う調子で僕の肩に手を置いてそう言った。



妹遊戯~二組の兄妹~ ― 完 ―




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Date:2012/02/16
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