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凛 騎 応 変!

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□ 妹遊戯~二組の兄妹~(完結) □

第11話 …謝罪の先にあるもの~前編~…

あれから1カ月が過ぎた。

僕は真由ちゃんに謝りたくて度々雄大の部屋へ顔を出していたけど、真由ちゃんはあれから1度も雄大の部屋にやってくる事は無かった。

聞けば、雄大はきちんと真由ちゃんに写真を撮った事を詫びて、今はもう普段と変わりなく話していると言う。

明日香は勿論、2人で仲良く学校へ行っているし最初から2人の仲が気まずくなるような理由もない。

僕だけがまだ蚊帳の外にいて、真由ちゃんにきちんと謝る機会すら与えてもらえていなかった。

雄大の部屋へ行けば、すぐ隣の真由ちゃんの部屋からは音楽が聞こえていたし、在室しているのは間違いない。

「今、さっさと真由の部屋行って謝っちまえよっ」

雄大はそう言うが、真由ちゃんの部屋へ入って行くのも気が咎める。

「私から真由に謝っておいてあげようか?」

ついには、なかなか仲直りしない僕達を見かねて、怒っていたはずの明日香までもが僕に協力を申し出るほどの期間が過ぎても、僕と真由ちゃんの仲は元通りにはならなかった。

「あ~あ・・・何か4人揃わないとつまんないね~」

明日香が言った。

「そうだな・・・」

雄大がそれに同調する。

見なくてもそう言い終わった後で2人が僕に視線を向けているのを感じる。

「俺だって・・・きちんと謝って許して欲しいけどさ・・・」
「だいたい何であんな事したのよ?」

明日香が根本的な質問をしてきた。

「それはよ~・・・拓也だって男なんだから仕方ないだろ?」

明日香への返答に窮する僕を雄大がそう言って助けてくれる。

「男、男って言うけどさ~、じゃあなに?世の中の男は皆、盗撮する訳?」
「そうじゃないけどよ・・・拓也は真由の事が好きだからよ・・・」
「ちょっ、雄大っ・・・」

僕は明日香の前で、僕が真由ちゃんに気がある事をバラされて驚く。

「そんな事前から解ってたわよ・・・真由だって口には出さないけど解ってたと思うよ?」

(そ、そうなのか・・・そんなに解りやすいのか・・・俺って・・・)

僕が真由ちゃんの事を好きだと言う事実を、当の彼女自身も知っていた・・・。
それは僕にとって驚くべき事だったけど、今となっては何の足しにもならない。
逆に気味悪がられるだけだ・・・。

「私が見た感じでは、真由だって兄貴の事気に入ってたと思うんだけどな~」

(え?・・・)

「そうだよな、あいつ妙に人見知りで俺以外の男と話す事なんかないのに、拓也にだけは懐いてたもんな」

雄大もそう付け加える。

「え?・・・ま、マジ・・?」

僕は信じられなくてそう言った。

「マジだぜぇ・・・な?明日香・・・」
「うん・・・真由・・・ガッコでも男の子と話す事なんか滅多にないんだよ・・・?」
「そ、そうだったのか・・・」

真由ちゃんも僕の事を「好き」とまで言わなくても「気に入ってくれていた」と言うのは嬉しいニュースだ・・・だけど・・・すべて遅すぎた・・・。

「ああっ・・・もうっ!まどろっこしいわねっ!」

嬉しいニュースを聞いても|項垂《うなだ》れる僕に明日香がそう言った。

「仕方がないから、明日っ!真由の事説得して雄大の部屋に連れてくるからっ!兄貴はそこできちんと真由に謝って許してもらうことっ!いい?」
「う、うん・・・謝る機会もなくて困ってたんだ・・・頼むよ・・・」

僕はその日、明日香にそう言って雄大の部屋を出た・・・。



※※※



学校にいる間からドキドキしていた。
先生の授業なんてまるっきり頭に入っていない。
今日、僕は真由ちゃんに謝って許してもらわなければならない。

(まず最初に何て言おうか・・・)

それを考え終えると次には

(真由ちゃんがまた泣き出したらどうしようか・・・)

そんなシミュレーションを繰り返しているうちに一日があっと言う間に過ぎて行った。

――カチャッ


そして僕はついに雄大の部屋の戸を開ける。

(よ、良かった・・・)

そこには久しぶりに僕以外の3人が揃っていたのだ。

「ま、真由ちゃん・・・」

僕は雄大の部屋の戸も開けたまま、カバンも持ったまま、ついでに突っ立ったままで真由ちゃんに声をかける。

「とりあえず入ってドア閉めろよ」

雄大にそう言われて、僕は中に入り床に座ってカバンを置いた。

(お、落ち着け・・・落ち着け・・・)

それから僕は軽く深呼吸する。

「ま、真由ちゃん・・・その・・・この間のこと・・・ごめんよ・・・ホントに反省してるから・・・」
「・・・」
「あ、その・・・それから・・・ホントにあの写真は誰にも見せてないし・・・全部消したし・・・それから・・・その・・・」

言いたい事はいっぱいあるのに、気ばかり焦ってなかなか言葉に出来ない。

「その・・・とにかく・・・ごめん・・・許して欲しいんだ・・・」

――カチッ、カチッ、カチッ

雄大の部屋の枕元に置いてあるゴツい目覚まし時計が時を刻む音だけが部屋の中に響く・・・。
時間にするとほんの短時間だったのだろうが、無言の時間をこんなにも長く感じたのは初めてだ。

「どうして・・・あんな写真・・・撮ったの・・・?・・・拓兄ちゃんがお兄ちゃんに頼んだの・・・?」

真由ちゃんがようやく口を利いてくれた。

「そ、それはよっ・・・拓也だって年頃の男なんだからよっ・・・女の身体に興味あるんだよっ」

明日香の写真と物々交換した事をバラされると困る雄大は、横からそうやって口を挟んだ。

「そうなの・・・?」
「あ、その・・・ま、まぁ・・・うん・・・」

僕はそう答えるしかない。

「じゃあ・・・女の子の写真なら誰でも良かったんだね・・・拓兄ちゃん・・・」
「そ、それは違うよっ!・・・ま、真由ちゃんの・・・真由ちゃんが・・・その・・・」

言い淀んで雄大と明日香へ目をやると、2人ともジェスチャーで「頑張れ」と伝えてくる。

「ま、真由ちゃんの・・・真由ちゃんの写真だから欲しかったんだ・・・」

2人に背中を押されるように僕はそう言い切った。

「他の女の子の写真なんか欲しくないよ・・・真由ちゃんの写真が欲しかったんだ・・・」

僕は繰り返してもう一度そう言った。
目に見えて、俯く真由ちゃんの顔が赤く染まっていくのが解る。

「さっ!もういいだろ?な?真由・・・もう許してやれよっ・・・な?」

雄大が言った。

「真由・・・もう写真もないしさ・・・誰にも見せてないって言うし・・・許してあげたら?」

明日香もそう付け加える。
2人とも4人で過ごす楽しい時間に渇望しているらしく、今日はとても僕に好意的だ。

「じゃあ、あと一つだけ・・・教えて・・・?」

真由ちゃんが僕の方を真っ直ぐに見て言った。
いつも俯き加減で人と目を合わせるのが苦手な真由ちゃんにしては珍しい事だ。

「う、うん・・・何?・・・」
「どうして・・・真由の写真・・・欲しかったの・・・?」
「・・・え・・・?」

僕は固まった。
あと一つ・・・これに答えれば仲直りできるかもしれない。
だけど僕が真由ちゃんの写真を欲しがった理由・・・あの写真を何に使っていたか・・・そんな事、本人も目の前にして言える訳がない・・・。

「そりゃあ、おまえ・・・夜、使ってたに決まってんじゃね~かっ」

雄大が何の遠慮もなく言った。
普段なら、この遠慮のなさに驚くところだけど、今のこのタイミングは絶妙だ。
僕はこの話をこのまま冗談にして欲しかった。

「使う・・・?・・・って」
「使うってのはよ~、だからあの写真見てオナニーしてたに決まってんだろが」
「お・・・おな・・・っ」

真っ直ぐ僕の目を見ていた真由ちゃんの顔が再び俯いた。
それから、ただでさえ赤い顔をしているのに益々顔を赤らめていく・・・。

「ちょっと~・・・もう少し言い方ってもんがあるでしょ~?」

明日香がそう口を挟んだ。

「言い方ってなんだよ、オナニーはオナニーだろっ」
「真由の気持ちも考えなさいって言ってるのよ・・・写真撮られて落ち込んでるのに、いきなりそれがオナニーに使われてたとか・・・聞きたくないに決まってるでしょ!?」
「だってよ~、先に聞いてきたのは真由の方だぜ?」
「真由は何で写真を撮ったのかって聞いてんのよ・・・何に使ったかなんて聞いてないでしょ?」

(それは無理があるだろう・・・)

僕は明日香の言葉を聞いて心の中で思った。
普通の笑顔の写真なんかなら「君の写真を持っていたかった」と言えば済むだろう。
しかし、あの写真は下着姿やら胸の谷間やら・・・最初から「そう言う事」を目的に撮影したとしか思えない。

(これ以上・・・真由ちゃんに嘘はつけないよな・・・)

僕はそう思いながら、嫌われるかもしれない覚悟で言った。

「ごめん・・・雄大の言うとおりなんだ・・・真由ちゃんの写真・・・そう言う風に使ったんだ・・・俺・・・ごめん・・・」
「・・・」

真由ちゃんは俯いたまま、傷ついているのか怒っているのか・・・はたまた全く別の表情をしているのか・・・それは僕の位置から伺い知る事は出来なかった。


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Date:2012/01/09
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